皆様、ごきげんよう!
ミニチュア担当です!
またしてもこの時期がやってきました......ファレホペイントコンテスト‼
作品受付開始してから続々と作品が増え続けており、力作たちが集結しつつあります!
さて、今回はbell様特集回‼と題しまして5作品をご紹介!
いつもご参加いただき、ありがとうございます!
ビッグチャイルド社「鮮血の侯爵夫人エリザベート」でのエントリーありがとうございます!
アーマーに圧し潰された胸元の滑らかな陰影が美しい肌に、上部から光がさしているような塗装!視線をグッと引き付けますね...!
唇からこぼれる鮮血すらエレガントです。
血煙が渦巻く下部からの光に照らされた肌や蝙蝠の表現もお見事!
世界観をより深める台座、複数の光源を意識した塗装、アームカバーなどの細やかな塗り分けや結い上げられた白髪の柔らかな質感など見所満載の作品です!
バンダイ製メカコレ 2巻「牛魔王の車」(2017年発売)を疾走感いっぱいに制作されています!
実は漫画「ドラゴンボール」は、ギャグマンガとして連載されていました。なので初期はギャグが多く描かれていました。
個人的にドラゴンボールを週刊少年ジャンプで読みだしたのは、レッドリボン軍との戦いあたりだったので、バニーガール姿のブルマは、アニメで見たのが初めてでした。もう約40年前・・・私もおじさんになっているはずですわ・・・
当時は、孫悟空のアクションを楽しみにしていましたが、大人になってからは、鳥山明さんのメカにも注目するようになっていました。
戦闘機、戦車などの調べるようになってから、鳥山明さんのメカのリアリティを感じさせるデザイン、ディフォルメの塩梅がカッコ良く思えるようになりました。
鳥山明さんのメカとキャラクターを楽しめるメカコレシリーズ再生産されないかなぁ
bellさんの作品は、キャラクターフィギュア、メカ、ベースどれもが、鳥山明さん風味を感じます。
キャラクターの塗装は、「ドラゴンボール」コミックスやイラスト集のカラーイラストの様に彩度・明度高めで影の入れ方も自然な感じです!
メカとは対比で、立体物として小さいのですが、存在感があります。
また、フェイスの描き込みもとても丁寧で、表情が良く分かりますね!
メカの「牛魔王の車」は、彩度・明度を落とされており、「メカ」としての重厚感を感じます。
そして、設定的にメカに興味のない牛魔王の車ということで、少しウエザリングを強めに施してあるのも、物語の世界観を表しておられます。
メカのフロント下部には、小石が当たったかのような濃い色でのチッピング、洗車は基本していない様子の埃汚れと、塗膜が劣化したチョーキング具合が施されております。そして、メカのリアは、排気汚れ、塗面の焼けが施されており、メカとしての最適なウエザリングが見ていて気持ちが良いですね!まさに鳥山明さんのイラストを見ているようです!!
ファインモールドさんから発売されている、歴装ヲトメ シリーズ7 「葵(あおい)w/1/72 零戦二二型」を使用されています。
歴装ヲトメシリーズとは、スケールモデルと正確な服装、装備をした1/35スケールのリアルタッチな乙女フィギュア(プラ製)がセットの製品です。
葵さんは、1/72スケール 零式艦上戦闘機二二型との組み合わせ。リアルな戦闘機とフィクションの女性フィギュアを組み合わせた、ギャップが面白い平和なシリーズです。
bellさんの作品は、上記のキットと猫と焼き魚、七輪を制作、組み合わせることにより、牧歌的な風景の作品になっています。
葵さんのポーズは、製品では「発動機まわせー」と緊急出動時の掛け声を叫びながら、「まわす」ジェスチャーで右手を大きく振り回しています。bellさんは、このキットのポーズをそのまま「コラー」という怒りのジェスチャーに置き換えておられます!発想の勝利です!!
このアングルは、bellさんの構図を破綻させてしまうのですが、フィギュアと飛行機のスケールの違いを上手く利用されているのが分かって頂けると思います。また手描きの背景も、空気遠近法が取り入れられており広大な飛行場での一場面であるのを感じられますね!
塗装ですがこの作品の主人公である「葵さん」には、作品全体から浮かない程度に繊細な影が描き込まれています。
ここからは、少し私の想像?妄想?での感想です。
背景、地面の色合いからして朝焼けでしょうか。透明感がありオレンジ色の空は朝焼けかなぁと、サンマの季節の夕方はこの背景の色合いよりも、赤みが強いかなぁと。
また、ゼロ戦の風防も濁らせてあるため、上手く「わき役」になっており、大きなジオラマ作品でありつつも、1/35スケールの葵さんに目が向くような仕掛けがされているのに脱帽です!
続きまして、アラディアミニチュア社『マウィ』を使用した作品です!まず、個人的に目が光れるのはマウィの足元にある海!
その海の透明度や質感がとてもいいですのでじっくり見て参りましょう!
ちょっと上から!海のジオラマはエメラルドグリーンに染まったレジン?ですかね。波紋や浅瀬には白い泡沫、貝や錨などの小物たち、散乱して届く海底の光表現などが本当の海を見ているかのようです!
マウィ本体を見てみると、その塗りもさることながら、海から反射した光までもその体に描き込まれており、そのセンスに脱帽です!
背面から見てみる、海底へ描かれたマウィの影は実際に落ちた影と見紛うばかりの再現度!また海とマウィの体色との調和性がこれこそまさに"海人!!"と言いたくなるような作品でした!!
最後はイグニス アート社『流離い猫 アラ・ミャーゴ』使用した作品です!
まず目を引くのはその眼光!正面は薄暗さを感じますがその中でも猫の暗闇の中でも輝く目はとても目を引きます。目に近い髭などもぼんやりと明るみがあるので視線が自然に向く、なんとも秀逸な表現です!
サイドから見てみましょう!正面左前側、作品名の"夕暮"というワードから帽子やベース部分を見ると夕陽に照らされているかのように光が当たる部分には明るさのある色、光が当たらない部分には深い色味にすることで斜め後ろ側から夕陽を受けているのがわかります。陰部分はコメントにもあるように暗くつぶれないようにとの事でしたが、外套に描かれた模様は彩度が低い中でも浮き出て見えるほどのこだわり......すごい!
正面右側から見た時では服などのシワがわかるほどの明暗でバッチリ表現されております!明から暗への滑らかなグラデーションが技術の高さを感じます。
最後に後ろから!後ろは全体に光が当たっており、正面とはまた違う明るさのある色で塗り分けられております。その中で水筒のような壺に注目していただくと、暖色が混ざった柔らかなレイヤーがかかっており、そこにも夕暮れ時なんだなー!と思わせる部分が各所にあります。360℃じっくりと観察しながら、太陽の向きや時間帯を感じ、そして明暗の中に表現された細かな装飾達をぜひその目で見て欲しい作品でした!
今回は以上!
お付き合いいただきありがとうございます!
次回のSRニュースもお楽しみにッ!
ファレホペイントコンテスト5まとめは以下の通りだっ!