秋葉原ホビー天国2

『ファレホペイントコンテスト4』引き続きエントリー作品紹介⑪

 秋葉原ホビー天国2 

皆さんこんにちは!
ホビー天国2-3階担当スタッフです!

いよいよファレホペイントコンテスト5のエントリー開始まで3週間となってまいりました!皆様、作品制作の進捗状況はいかがでしょうか?
もし、まだご参加を迷われている方がおられましたら、このショールームニュースのバックナンバーをご覧いただくと参考になると思いますよ!
皆様の素敵な作品エントリーをお待ちしておりますね!

それではコンテスト作品のご紹介へと参りましょう!
今回も様々な力作が登場していますよ!「ファレホペイントコンテスト4エントリー作品紹介⑪」皆様是非ご覧下さい!




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参加部門C:ミリタリー部門
作者名:あどるふ
メーカー名:タミヤ
作品名:Battle of Bulge
ファレホ使用率:20%
コメント:カーキ、シルバー、地面のベース色にファレホを使いました。

スタッフコメント:ミリタリー部門より、M4 シャーマン戦車による迫力のジオラマ作品が登場。第二次世界大戦でのアメリカ軍を主体とする連合軍とドイツ軍による戦闘「バルジの戦い」をモチーフにされており、車体に施された冬季迷彩やぬかるんだ地面の表現が厳しい環境下での戦闘を彷彿とさせます。

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車体の冬季迷彩は実際の運用時を思わせるリアルな仕上がりです。現地の兵士たちによって塗られた"急ごしらえ"と言わんばかりの荒めのタッチや、マーキングを避けながら手作業で施されたような仕上げは、少しでも生存率を高めたい!生き残りたい!という兵士の必死の思いまで感じられるかのようです。履帯に近い箇所には泥の跳ねた跡が見られ、激しく落ちた冬季迷彩と相まって過酷な戦場を物語る見どころの一つとなっています。
スコップや斧、丸い砲塔の側面に取り付けられた荷物など、アクセサリーパーツの塗装も丁寧に仕上げられていますね。冬季迷彩含めた車体全体の塗装やジオラマの迫力に圧倒されがちですが、こうした小物の塗り分けやも世界観を感じさせる大事な要素であることを実感させてくれます。

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本作のジオラマは雪が解けてぬかるんだ地面を表現されており、履帯の跡や兵士の足跡がしっかりと残されています。湿り気の表現として、水分を多く含む泥はより暗色で光沢が見られ、乾きつつある土との質感の違いがリアルさを生んでいます。また、ベースの端にはまだ溶けずに残った雪もあり、気温の変化と時間の経過が感じられます。
「バルジの戦い」のワンシーンを様々な角度から眺められる、臨場感とリアリティに溢れるジオラマ作品でした。




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参加部門E:モンスター部門
作者名:さくきりしま
メーカー名:スタジオソータ
作品名:火竜
ファレホ使用率:100%
コメント:ジオラマ含めて全てファレホで塗装しました。水面が熱で蒸発するイメージが伝われば幸いです。

スタッフコメント:モンスター部門より、スタジオソータのカプセルトイ「指乗せドラゴン」をリペイントしたジオラマ作品が登場。本来は商品名通り、指にぴったりとフィットする可愛らしいドラゴンですが、それを使って「さくきりしま」様はドラゴン(火竜)の出現によって水面が激しく泡立ち蒸発する様をダイナミックに表現してくださいました。

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ドラゴン本体のリペイントでは、まずブラックの成形色の上にレッドで下地を作り、重ねる色の明度を段階的に上げていき、全体の色合いに深みを与えています。所々に暗い色が残り、ドラゴンのとげとげとした鱗には自然な影が落ちていますね。腹部や尻尾、翼の内側などはオフホワイトで色分けされ、明るすぎない色味が全身のカラーバランスを整えています。また、全体的にあえて荒々しいタッチで色を乗せられており、ドラゴンらしい硬質な表皮が浮かび上がるとともに、幻獣に相応しい神秘性も感じさせます。

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ドラゴンの出現を壮大に演出する水面のベースですが、こちらは石粉粘土と脱脂綿で制作されています。激しく揺れる水面と波を造形し、明暗2色のブルーのファレホで中心から外側へのグラデーションを表現されています。コメントにもある「水面が熱で蒸発するイメージ」を脱脂綿を使って表現されており、水が気体へと状態変化を起こすさまが大迫力で描かれていますね。ドラゴンの躍動感と大きく波打つ水面がマッチしており、小さいながらもエネルギッシュな勢いが伝わってくる作品でした。




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参加部門F:フリー部門
作者名:まろ
メーカー名:バンダイ
作品名:リーベルパラディン
ファレホ使用率:45%
コメント:アーマー部分と武器にファレホを使い筆塗りし、使用感をイメージしました。

スタッフコメント:バンダイ『30 MINUTES FANTASY』シリーズより、リーベルパラディンが登場。本作品はリーベルナイトとクラスアップアーマー(リーベルパラディン)を組み合わせ、より重装甲な仕様となっております。メカカラーのメタリック系をメインに使用され、パッケージイラストのような金属感を意識して仕上げられています。

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鎧の塗装ではライトスチールとダークスチールの2色のメタリックカラーを使い分けられています。配色はキットの成形色を参考にされているそうですが、肩や脛にはその2色の明暗の違いによる塗り分けが見られ、各パーツの構造体としての意味を埋もれさせることなく同系色で鎧(アーマー)としての一体感を出しているのはさすがですね。
またあえて筆の跡を残されているため、鎧に傷跡や汚れといった"使用感"が感じられ、パッケージイラストのように勇ましく重厚な佇まいに仕上がっていますね。

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肩、胸、腰に見られる装飾はオールドゴールドで塗装され、他の部位と同様に使い込まれた質感に仕上げられています。鎧全体のアクセントとなりつつも明るすぎず、鈍い金属光沢が年季の入ったさまを強調しております。
ソリッドカラーの成形色をメタリックに塗り替え、素組みだけでは得られなかった鎧の重厚感や威厳のあるオーラを見事表現してくださった作品でした。



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参加部門E:モンスター部門
作者名:yatsugelion -1.0
メーカー名:バンダイ
作品名:目覚めよ、メガロ
ファレホ使用率:85%
コメント:メガロのソフビの羽を開き、ポーズを改造しました。内側の羽は自作です。シルバーのファレホを混ぜつつ、メタリックな質感を表現。下地以外はファレホの筆塗りで仕上げています。

スタッフコメント:2023年公開の短編特撮ムービー「ゴジラVSメガロ」より、昆虫怪獣メガロが登場。バンダイ 「ムービーモンスターシリーズ メガロ(2023)」に大改造を施されており、劇中でも印象的だった「大きく翅を広げた姿」を再現されています。メガロの足元には破壊された町が細かくリアルに作りこまれており、迫力満点のスケール感に圧倒されてしまいますね。
そして本作品はモンスター部門「金賞」を受賞されました!おめでとうございます!

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元のソフビでは閉じていた背中の翅は、一体成型のパーツを切り離して展開状態を再現されています。展開されることで露わになる内側の透明の翅(後翅)は、なんと百円ショップで購入したクリアー下敷きを使用されているそうです。カットした後に炙って表情をつけ塗装されたそうで、クリアー下敷きの透け感も活かして自然な質感に仕上げられていますね。そして切り離した際の切断面の造形も抜かりなく、前翅の裏側や背中にはエポキシパテで緻密な造形を加えられています。公式資料が少ない中でも完成品トイと見紛うほどの精巧な改造を施されており、「yatsugelion -1.0」様の怪獣愛が強く感じられますね。

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また、翅だけでなく右腕と左脚のポージング変更もされています。ドリルのような腕を胸の前に、片足は瓦礫を踏み潰すように曲げられており、こちらもまたエポキシパテを使用しながら動きを感じさせる姿勢に仕上げられています。
塗装は下地を除いて全て筆塗りで仕上げられており、メガロの硬く分厚い外殻を表現されています。さらに全体にシルバーのドライブラシを施されているため、凶悪なディテールが鋭く強調されていますね。外殻の隙間から顔を覗かせる赤黒い箇所は、元のソフビと比較するとさらに細かく塗り分けられていることが分かり、造形を最大限に活用して情報量を追加されていることがうかがえます。光沢コーティングされた複眼も昆虫らしさを引き立て、まさにソフビに命が吹き込まれたかのようなダイナミックな作品でした。



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参加部門F:フリー部門
作者名:やっしー
メーカー名:タカラ(ピットロード)
作品名:大和ミュージアム
ファレホ使用率:30%
コメント:ベースの食玩模型に最新のディテールアップパーツやエッチングパーツを取り付け情報量を増やしすべてのブロックが良く見えるように台座を考えました。座部分にはファレホを使用しました。

スタッフコメント:フリー部門より、懐かしの食玩 タカラ「連斬模型シリーズ 戦艦大和」が登場。本作品はその食玩のコンセプトをそのままに、切断された計7ブロックに、艦船模型用のディテールアップパーツやエッチングパーツを加えて全塗装されています。ブロック一つひとつの完成度はもちろんのこと、ディスプレイ方法にも工夫を凝らされており、ファレホで着色したアクリル板で海上を表現し、さらにブロックごとに重ならないように、階段状かつ左右に位置をずらしながら配置されています。
そして本作品はフリー部門「銀賞」を受賞されました!おめでとうございます!

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「やっしー」様は資料を参考にディテールアップされたそうで、どのブロックを見ても実物の大和へ迷い込んだかのような錯覚に陥りそうな作り込みと細かな塗り分けが施されています。艦橋には張線やラッタル、手すりを設置し、さらに煙突周りには旭日旗が掲げられており、各種対空兵装も精密な塗り分けが目を引きます。
そして何と言っても、連斬模型シリーズの最大の特徴である「断面」の塗装も目が離せません。一般的な艦船模型では中々お目にかかれないボイラーは金属色で塗り分けられ、1/700スケールでもその重厚感は十二分に伝わってきます。よく見ると複数の艦内室も見られ、塗り分けられた机や椅子が乗組員の存在を匂わせるとともに、いかに大和が巨大であったかを雄弁に物語っています。

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艦尾部にも見どころは多く、カタパルトやクレーンの他、飛行甲板やその下の艦載機格納庫までじっくりと観察できます。飛行甲板は本来よりもやや大きめに開き、格納庫内部を覗きやすく調整されているそうです。
食玩を「凄腕艦船モデラーが仕上げた超絶最新キットをぶった切った!」というようなレベルまで引き上げただけでなく、そのコンセプトを最大限活かし、更に"見やすさ"を意識した配置をおこない、船体を思わせる2色に塗り分けドラフトマークまで入った展示ベースの作成、展示パネルの追加など、見せ方にも高い意識が感じられ、もう資料館の展示物と見紛うばかり!「戦艦大和をよく知らない人でも楽しんでほしい」といった制作者様の思いまで感じらるエンターテインメント性溢れる作品でした。




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参加部門A:ミニチュアペイント部門
作者名:iLdo
メーカー名:ビッグチャイルド
作品名:アルボアーク船長
ファレホ使用率:100%
コメント:ファレホで全塗装しています。陰影を意識してドライブラシで塗装しています。ベースは百均の素材のみを使って幽霊船を表現してみました。

スタッフコメント:前回のファレホペイントコンテスト3にてスタッフセレクト賞を受賞された「iLdo」様が今回もご参加くださいました!ありがとうございます!
BIG CHILDより、「四重刑アルボアーク船長」が登場。キャラクターのダークファンタジーなイメージに合わせて、百均素材のみで制作した「幽霊船」のベースもご用意くださいました。
そして今回もスタッフセレクトを受賞されております!おめでとうございます!

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本作品はサーベルを持った右手側に光源を設定して塗装されており、パッケージの塗装見本よりもトーンを落として仕上げられています。肋骨がむき出しになった胴体は内側へ行くにつれて吸い込まれるような暗闇が広がっており、すでに肉体の無くなった空洞部分を不気味に強調されています。
ジャケットは経年変色や様々な汚れが付いた状態をイメージして塗装されたそうで、複数色をドライブラシで乗せられています。至る所に見られるシワや傷跡も際立ち、船長の壮絶な航海の旅路を彷彿とさせますね。
両手の武器はソリッドカラーによる塗装で金属感を表現されています。もはや金属が劣化し、光の反射率が大幅に低下した状態を表現されており、全身の骨やジャケットと同様に永い時間の経過を思わせます。

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幽霊船をイメージしたベースも、世界観がしっかりと引き出されています。脆くなって折れ曲がった床板や、原型を留めないほどに崩壊した木箱が転がっており、もはや廃墟にも等しい姿と化した様子が生々しく表現されています。ちなみにこの木板の表現には百均の木製マドラーを使用されているそうです。カッターやハサミなどの工具を使用せず直接手で折ることで、写真のようなささくれた断面が自然に出来上がるとのことです。塗装は全体的に暗めの茶系で仕上げられており、腐敗した木材の質感を強調されています。さらに船長の右手前の床は周囲よりも明るさが増しており、船長本体と同様に光源を意識した塗装がうかがえますね。
キャラクターの外見から思い浮かべた「幽霊船」というテーマを具現化し、ストーリーや世界観が次々に浮かんでくる素敵な作品に仕上げてくださいました。




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参加部門F:フリー部門
作者名:NUN
メーカー名:マックスファクトリー
作品名:白蛇の鎧武者
ファレホ使用率:50%
コメント:今年は巳年なので、縁起が良いとされる白蛇をイメージし、紅白カラーで仕上げました。鎧の白色部分にファレホのホワイトやマホガニーを使用し、下地の色が透けるように塗りました。

スタッフコメント:「NUN」様が2作品目をお持ち込み下さいました!ありがとうございます!
フリー部門より、PLAMAX 1/12 鎌倉時代の鎧武者が登場。2025年の干支である「巳(蛇)」をイメージして制作されており、顔パーツはUVレジンで蛇の顔に作り変えられております。また、新年のお祝いも込めて「紅白」カラーで縁起良く仕上げてくださっています。
そして本作品はスタッフセレクト賞を受賞されました!おめでとうございます!

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今回の紅白カラーへのリペイントですが、実は色のバランスを崩してしまうとまるでサンタクロースのようにも見えてしまうといった難点があったそうです。「紅」の方は彩度を抑えつつ、布のシワや緒の重なりを意識した陰影を入れていき、武者としての佇まいに相応しい色味に仕上げられています。そして「白」の方は黒下地で塗り始め、細かな凸凹にはホワイトやマホガニーをドライブラシで塗布し、鎧の造形の奥行きと重厚感を表現されています。やや渋みのある落ち着いたトーンが完成され、しっかりと「和」のテイストも意識されていることが伝わってきますね。

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「NUN」様は本作品に縁起物としての"華やかさ"も欠かさず表現されており、鍬形(くわがた:兜の前面にある大きな飾り)や刀の鞘にはゴールドを使用したアクセントが見られます。さらに左肩の大袖には丸まった蛇のイラストをフリーハンドで描かれており、蛇の顔と相まってどこか可愛らしさも感じられます。
派手すぎない色合いが鎧武者としての力強さや威厳を残しつつも、新年に合わせた縁起物の一面も織り交ぜられたとてもご利益のありそうな作品でした。




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参加部門F:フリー部門
作者名:みゆき
メーカー名:バンダイ
作品名:ファンタジードラゴン
ファレホ使用率:100%
コメント:サフ以外は全てファレホで筆塗りしました。ドラゴンのお腹の色わけ、アラレちゃんの鎧の色と宝石の白い照り表現、がっちゃんの金髪の色あいがんばりました。

スタッフコメント:鳥山明先生の「Dr.スランプ アラレちゃん」より、ドラゴンにまたがるアラレちゃんが登場。バンダイより発売された懐かしのプラスチックモデルキット「ファンタジードラゴン」をファレホで全塗装されています。箱絵を参考に美しく塗り分けてくださり、隣を歩くガッちゃんや、その後ろにつく"とり"(正面からでは見えませんが...)も細かく塗られております。
そして本作品はフリー部門にて「銅賞」を受賞されました!おめでとうございます!

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本作品は各キャラクター、素材ごとに色合いや風合いが細かく丁寧に塗り分けられています。例えばアラレちゃんの金属表現に注目してみると身につけている鎧兜はガンメタル+ブルーからホワイトのグラデーションで塗装されており、金属の美しい輝きとずっしりとした重量感が表現されています。小さな金属パーツである剣の鞘に見られる繊細な模様、ベルトや靴の金具まで反射光や明暗の塗り分けがされています。
一方、兜と腰のベルトの赤い宝石では、ホワイトで照り返しのラインがハッキリと描かれています。宝石と金属との反射の違いを、「みゆき」様は塗料の光沢を用いることなくイラスト風塗装での表現されています。細かな塗り分けの際にも材質の違いを意識されていることが分かりますね。

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ドラゴンは鱗模様の塗装にも力を入れられており、鱗同士の溝に落ちる影や鱗表面の微かなグラデーションがしっかりと表現されています。また、ざらざらとした鱗表面の質感は最初からパーツに成形されていたものではなく、「みゆき」様が塗装によって表現されているもので、生物感がより強調された仕上がりとなっています。そしてコメントされている「お腹の色分け」ですが、緑色の鱗とのコントラストが抑えられ、鱗からお腹への自然な色の移り変わりが統一感をもたらしています。緩やかなお腹の膨らみに合わせた淡いイエローのグラデーションが映え、鱗とは異なる柔らかな質感が伝わってきますね。
ファレホの豊富なカラーバリエーションを活かしたカラフルな仕上がりが目を引くとともに、全体のトーンバランスを崩さない見事な配色でまとめられた作品でした。




さて、今回のご紹介はここまで!
今後もコンテストの作品紹介を順次行なって参ります。是非次回をお楽しみに!

■ファレホペイントコンテスト5
申込用紙配布:2025年4月26日(土)より配布開始←今ココ★
作品受付期間:2025年6月7日(土)~7月13日(日)
人気投票受付期間:2025年7月19日(土)~8月3日(日)
結果発表&表彰式:2025年8月10日(日)
作品返却期間:2025年8月10日(日)~8月31(日)まで