皆さんこんにちは!
ホビー天国2-3階担当スタッフです!
長かったゴールデンウィーク期間でしたが終わりがやってまいりましたね。
ファレホコン5に向けて作品制作は進んでおりますでしょうか?
「はじめてファレホ使ってみた!」「よくできたから見てほしい!」などの作品がございましたら、ぜひ「ファレホペイントコンテスト5」へのエントリーを考えてみてくださいね。作品受付は6/7(土)から!皆様の作品をお待ちしております!
それではコンテスト作品のご紹介へと参りましょう!
今回も様々な力作が登場していますよ!「ファレホペイントコンテスト4エントリー作品紹介⑨」皆様是非ご覧下さい!
スタッフコメント:前回のファレホペイントコンテスト3にて、モンスター部門「銅賞」を受賞された「蒼不動」様が今回もエントリーしてくださいました!ありがとうございます!
ゴジラシリーズより、公害怪獣ヘドラが登場。バンダイ ムービーモンスターシリーズのソフビをリペイントされており、ヘドラの組成要素である"鉱物"を思わせる質感に仕上げてくださっています。
そして本作品はモンスター部門「銅賞」を受賞されました!おめでとうございます!
ドロドロと上から下へ流れ落ちるかのようなヘドロは、ガンメタルやナチュラルストーンなどの金属色を複数用いて表現されており、ヘドラを構成する様々な汚染物質や鉱物を表現されているかのようです。所々にダークグレイを混色されているそうで、ギラギラとした金属光沢の中にも造形を際立たせる影がしっかりと落ちています。
ヘドロの隙間からこちらを覗き込む両目も細かく塗りこまれています。元のソフビとは異なり瞳孔と虹彩が人間の目のごとくリアルに描かれており、憎悪や悲しみ、あるいは恐怖心や不安など様々な感情が込められているようにも見えてきますね。
背中には大きなコブのような造形が見られ、色味を濁らせたレッド、イエローで塗り分けられています。元のソフビの着色とは大きく異なり、「蒼不動」様は2色の塗り分けラインをはっきりとさせ、それぞれがまるで独立して形成された肉塊のように仕上げられています。ヘドラの生物的な一面に独自の解釈を取り入れられた塗装表現ですね。
幾重にも塗り重ねられた金属色がヘドラの体表の質感を再現し、重量感、生物感ともに満載のリペイント作品でした。
スタッフコメント:前回のファレホペイントコンテスト3にて最優秀賞を受賞された「Miki」様が、今回もエントリーしてくださいました!ありがとうございます!
今まさにアツい「モンスターハンター」シリーズより、"鎧竜"ことグラビモスが登場。イベントディーラー「兜工房」様のキットを使用されて、モンスター部門でのエントリーとなります。一目見ただけでもその圧倒的な重量と頑強な外殻に圧倒されてしまうほどの完成度で、本作品はファレホペイントコンテスト4の最優秀賞を受賞されました!なんと前回に引き続き2連覇となります!おめでとうございます!
岩肌のような外殻はドライブラシを駆使して表現されたもので、岩石にも等しい堅牢なボディはどの角度から見ても壮観です。また、殻同士が重なり合う箇所の周辺は影が濃くなり、突起物の根本付近は僅かに赤みがかっているなど、造形に合わせて抑揚をつけるようなカラーリングを意識されています。
両翼の翼膜は伸縮性があり他の部位と比べて"柔らかさ"と"薄さ"という特徴があるため、「Miki」様は起伏に合わせたグラデーションや、赤みを多く含ませることで血液が透けて見えるさまを表現されています。
地中から溢れ出る灼熱のマグマや、その光に照らされた両足や腹部は、まさにグラビモスとの戦闘ステージを彷彿とさせます。こちらのマグマには「ヘラ ピグメント」を使用されており、鮮やかな発光表現はもちろん、足先から膝、腹部にかけて照り返しの色が徐々に薄くなっていく様子も表現されています。光源との距離感の変化が表現されることで、グラビモスの巨躯を一目で実感できる仕上がりになっていますね。
キットの造形を最大限に生かす「Miki」様の塗装技術が遺憾なく発揮されて、グラビモスのまとう外殻の硬度、漂う高温、そしてその規格外の重量感など、まさにゲーム内で対峙した時の緊張や興奮が思い起こされる作品でした。
スタッフコメント:マシーネンクリーガーより、1/20 ファイアボール SGが登場。ファレホコンの前身V.K.M.ペイントコンテスト時代から何度も素晴らしい作品でご参加くださっています「灰羽」様の作品です。今回もありがとうございます!今回はwaveより発売のキットを使用されて、マシーネン原作者、横山宏先生による筆とエアブラシを併用した技法"ヨ式塗装"で仕上げられております。
表面にあえて筆跡を残しながら上からエアブラシで色を乗せて深みを出していく、マシーネンシリーズの作例では多く見られる塗装方法を用いられていますが、「灰羽」様はパッケージイラストとは異なるグレートーンで全体を仕上げられています。また、ホワイトグレーとライトグレーによる無彩色の迷彩模様に少量のグリーンを混ぜ、全身の色合いに情報量を加えられています。
宇宙空間で運用されるファイアボール SGの設定をしっかりと落とし込むように、地上戦のような激しめの汚れは避け、スーツ表面にスペースデブリによる傷跡や、稼働時に擦れやすい箇所を中心にチッピングを施されています。溝に溜まったものや、そこから流れるような跡が残ったオイル汚れも使用感を漂わせていますね。
筆とエアブラシによるハイブリット塗装でなければ味わえない、まさにマシーネンシリーズの魅力を堪能できる重厚な仕上がりでした。
スタッフコメント:前回のファレホペイントコンテスト3にてフリー部門「金賞」を受賞された「Inside Wisteria」様が今回もエントリーしてくださいました!ありがとうございます!
ミリタリー部門より、クーゲルブリッツが登場。戦車、ドイツ兵ともにドラゴンモデルより発売の1/35スケールキットを使用されて、第二次世界大戦時の寒冷地域のジオラマに仕上げられています。本作品は砲声の飛び交う戦場の真っ只中とは異なり、一人のドイツ兵が戦車の傍で煙草をふかす様子を表現した静寂な雰囲気の戦車ジオラマとなっております。
そして本作品はミリタリー部門にて見事「金賞」を受賞されました!おめでとうございます!
車体の塗装は3色迷彩と赤い砲塔(防錆塗装)が目を引く大戦末期を思わせるカラーリングで仕上げられており、剝がれかけた冬期迷彩がリアリティを引き立てます。ウェザリングにはエクスプレスカラーを使用されており、リベットやパネルラインなど汚れの溜まりやすい箇所をピンポイントに流し込まれています。
足周りのウェザリングも抜かりない仕上がりで、ピグメントを用いた履帯のサビや泥の付着した転輪など、雪でぬかるんだ悪路を走行してきたことを窺わせます。また、よく見ると車体側面に取り付けられた予備転輪の汚れ具合は控えめで、これらが使用前であることを示唆した表現だと分かります。満遍なく汚すのではなく、各部の役割や状態を完全に把握、理解したリアリティのあるウェザリングを施しているのはさすがです。
ジオラマベースには茶鼠色の草素材を用いており、草の上にキラキラと霜が降りた様子を表現されています。冬の情景ジオラマによく見られるスノーパウダーを用いた積雪表現ではなく、うっすらと浮かぶ初霜が冬の冷え込んだ空気を漂わせる一味違った季節感の表現ですね。
ドイツ兵のフィギュアもしっかりと塗りこまれており、コートのシワ一つ一つに陰影の描きこみが見られます。ちなみにこちらは世界的フィギュアペインター カルビン・タン氏の筆塗りテクニックを参考に塗装されたそうで、1/35サイズとはいえ繊細な仕上がりが目を引きます。
車体の塗装から情景の表現まで、戦車の構造や運用環境をしっかりと理解して構想が練られた作品でした。
スタッフコメント:ウルトラシリーズより、友好珍獣ピグモンが登場。バンダイより発売のソフビ ウルトラ怪獣シリーズをリペイントされ、モンスター部門でのエントリーとなります。マスコット的存在であるピグモンの愛らしさを生かしつつ、メタルメディウムや蛍光カラーを使用したミステリアスなカラーリングに仕上げられています。
「たいちょう」様は普段からメタルメディウムをご愛用くださっており、本体色のメタリックピンクやメタリックパープルも自身で調色して生み出されています。カラーに対するメディウムの割合も適切なため、全身の色調や光沢具合も均衡の取れた仕上がりです。
顔の塗装にも細かなアレンジが見られます。瞼と唇には起伏に合わせてうっすらとイエローを塗布し、実在の生物らしさ生みだすとともに、ピグモンの顔立ちが自然と強調されています。また両目はブラックとゴールドで塗り分けられており、2色の明暗が作り出すグラデーションが奥行きを際立たせます。
「たいちょう」様はピグモンの背中に見られる特徴的な凹凸も活用し、シルバーのドライブラシを全面に施されています。1色のみで塗ると単調になりがちな背中も、ごつごつとした造形が浮き出て怪獣らしく仕上がっていますね。
メタルメディウムを用いたパステル調に彩られ、ピグモンという怪獣の持つ独特な可愛らしさと神秘性が引き出された作品でした。
スタッフコメント:続きまして、「たいちょう」様の2作品目です。
傑作映画「ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒」より、ガメラ(1999)が登場。エクスプラスより発売の1/700スケールプラスチックモデルキットを使用されて、フリー部門でのエントリーとなります。亀や河童を彷彿とさせるカラーリングで全体をまとめつつ、爪や腹部にはシルバーやメタルメディウムによる金属光沢を用いた塗装表現が施されております。
皮膚は原作よりも明るいカラーリングで仕上げられています。緑/青系の濃淡で変化を加えながら塗装されており、暗めの青がシャドウの効果を生んで、本キットの特徴である全身の緻密なシワ造形をしっかりと際立たせ、生物感が鮮明に表れていますね。
両手の指は元のデザインとは異なり、先端の爪だけでなく指の付け根から色を変化させ、メタルメディウムによる光沢も加わることでよりダイナミックかつ凶暴な印象が増しています。
頭部も牙をむき出しにして大きく口を開けた迫力のある口腔内をダークレッド、ピンク、ホワイトを複雑に塗り重ねて、まさに「恐ろしく生々しい怪獣の口」をみごと再現されています。
瞳はアクセントとなるイエローを使用され、さらに本来よりも一回り大きめに描かれているため威圧感や迫力に満ちた眼光が感じられます。
本キット最大の特徴である甲羅の塗装ですが、「たいちょう」様は単色で仕上げず、中央と両端を塗り分けて甲羅に模様をつけるといったアレンジを加えられています。鱗のような外皮一つ一つをムラなく筆で塗られており、半光沢の仕上がりが生物的な硬質感を感じさせるリアルな質感を漂わせます。
明るめのカラーリングやアレンジの利かせた色分けから、「たいちょう」様が原作カラーに囚われない自由な塗装を楽しまれたことが伝わってくる作品でした。
スタッフコメント:前回のファレホペイントコンテスト3にもご参加くださった「まっしろならむね」様が今回もエントリーしてくださいました!ありがとうございます!
Arsenal D.iより、PUNK the Dragonが登場。公式塗装見本とは異なるグリーンの髪の毛に、瞳孔やハイライトまで緻密に塗り込まれたアイペイントなど、細かなアレンジが目を引く作品です。
髪の毛の塗装ではベースのグリーンの上に細い線を引くように鮮明なハイライトを描きこまれ、毛束の重なり合う箇所や編み込みの溝にはくっきりとした陰影のラインを引かれています。光の当たりづらい内側には圧倒的な光吸収性能を誇る「黒色無双」を使用されており、髪全体の立体感がぐっと引き上げられていますね。
さて、アイペイントの一味違った仕上がりにはお気付きでしょうか?瞳孔をよく見てみると、丸型ではなく縦に細長く描かれていることが分かります。「まっしろならむね」様はキット名にあるの『Dragon』にちなんで爬虫類の眼を表現されたそうで、優美な佇まいの中に光る鋭い眼差しが魅力的ですね。
装飾品の塗装はゴールド、シルバー、ブラックといった高級感を感じさせる配色で構成されており、複数のイヤリングが集中する左耳は金属と肌の塗り分けが緻密に仕上げられています。
キットの大部分を占める肌部分の塗装では、リアルな肌の質感を出すために写真資料を参考にされているそうです。広い面積ですが全て筆塗りで挑戦されており、シャドウカラーから徐々に明るい色を重ねていく立ち上げ塗装で仕上げられ、見事に女性特有の柔らかで瑞々しい自然な美しい肌感を再現されています。
ただ単に美しく仕上げるにとどまらず、立体感の表現方法や新たな解釈を加えられたアイペイントなど、各所に施された独創的なアレンジが際立つ作品でした。
スタッフコメント:続きまして、「まっしろならむね」様の2作品目になります。
ビッグチャイルドより、鉄の意志(胸像)が登場。金属色とウォッシングという重厚感溢れる塗装表現が目を引く一方で、なびく髪の毛には煌びやかな光沢が見られ、戦場に立つ女性戦士の勇姿を捉えた作品となっております。
鎧や剣の塗装にはシルバーやブロンズなどの金属色を混ぜ合わせて使用されたそうで、ウォッシングにより明度を落としつつ重厚感溢れる金属感を表現されています。腕や指関節に見られる蛇腹状の造形や胸部の模様もくっきりと浮かび上がり、鎧全体にメリハリのあるシャープな印象を与えています。また、肘や刀身には乾いた血痕が見られ、彼女が身を置く戦場の苛烈さを連想させます。
顔は公式塗装見本よりも色白に仕上げられており、左頬には鎧と同様に返り血のような跡が付いています。眉の線やアイペイントも丁寧に描きこまれており、作品名に相応しい強い信念と気迫をまとった表情に仕上がっています。
風に揺れる髪の毛は全体を茶色に塗装後、凸面を中心にブロンズを重ねて髪の毛の"ツヤ"を表現されています。満遍なくブロンズを乗せるのではなく、光の反射の無い箇所は下地を残すように仕上げるといった、ソリッドとメタリックによる明暗のコントラストを作られていることが分かります。最後はタミヤのスミ入れ塗料を使用してヘアラインをくっきりと浮き立たせ、マントとともに風になびく様子が表現されています。
鎧や剣においてはウォッシングと組み合わせて重厚感を、髪の毛ではソリッドカラーと塗り分けて上品な髪質を表現するなど、金属色を用いた多彩な表現方法が見られるミニチュア作品でした。
スタッフコメント:前回のファレホペイントコンテスト3にてミリタリー部門「金賞」を受賞された「4G63」様が今回もご参加くださいました!ありがとうございます!
ミリタリー部門より、フォッケウルフ Ta152 H-1が登場。松本零士先生による『戦場まんがシリーズ』及びOVA作品『ザ・コクピット』のエピソードの一つ『成層圏気流』のワンシーンを再現したジオラマ作品となっております。主役機はドラゴンモデルより発売の1/48スケールキットを劇中のカラーリングに合わせて黒く染め上げ、後方で黒煙を巻き上げながら墜落するスピットファイアは遠近感を出すため1/144スケールキットを使用されています。
そして本作品はミリタリー部門「銀賞」を受賞されました!おめでとうございます!
主役機のTa152はそのロングノーズとウイングスパンを強調するために大きく傾けてディスプレイし、さらに透明プラ板を加工して回転するプロペラを見事に表現されています。
また、上空から機体に降り注ぐ光を表現されており、機体の右半分にファレホのホワイトによるドライブラシで反射光を追加されています。右翼の先端がハイライトとなり、同様にパネルラインや機体の出っ張りのエッジ部分などの光が反射する部分にもホワイトを使用したラインが施されています。機体色が全面"黒"ということで明暗の表現には苦労されたそうですが、機体の形状に合わせたホワイトによる反射光の表現が美しく映え、松本零士先生のイラストやOVAのワンシーンを見ているかのようです。
主役機の出来映えに目を奪われがちですが、後方のスピットファイアの存在も忘れてはいけません。アカデミーより発売の1/144キットを使用されており、限られた作品サイズの中で、広大な大空での戦闘機同士の死闘を迫力一杯に表現する仕掛けですね。小スケールですが迷彩や国籍マークの塗り分け、回転するプロペラの表現など、主役機に劣らぬ抜かりない仕上がりです。被弾部から巻き上がる黒煙は手芸用の綿で製作されており、内部をしっかりと固めて密度を出し、動きのある形状を意識しながら形を整えられています。
高さのある木製ベースは高高度での戦闘を表現するため、"青空"と"雲"の要素を取り入て塗装されています。空中固定用の真鍮線を「見ないお約束」でかたずけるのではなく、足場のない"空中"を表現する斬新な発想ですね。
緻密な作り込み・塗装と遠近法を利用したダイナミックなディスプレイによって大迫力の空中戦を再現した圧巻のジオラマ作品でした
スタッフコメント:前回のファレホペイントコンテスト3にもご参加くださった「T」様が今回もエントリーしてくださいました!ありがとうございます!
メガミデバイスシリーズより、朱羅 忍者 枢が登場。エアブラシによる全塗装で仕上げられており、公式のカラーリングを踏襲しつつも各部の色味にアレンジを加えられた作品となっております。
合わせ等の表面処理は全面丁寧に仕上げられており、ファレホのフラットな塗装面を美しく際立たせております。スキンカラーはダークフレッシュを使用して褐色肌に変更されており、特典の特別カラー髪パーツとの組み合わせで元のデザインとは全く異なるキャラクター性を感じさせますね。
パッケージや成形色ではブラック100%のように見られる腕や脚のボディースーツですが、「T」様はここにブルーを薄く重ねて青味を加え、周囲のカラーとの明暗の差を抑えた色味に塗り替えられています。それに合わせてレッド部分の色味はキメラカラーを混色し、柔らかく淡いカラーリングに調整されています。
丁寧な表面処理とエアブラシ塗装はもちろんのこと、アレンジの利いたカラーコーディネートによって一味違った印象を楽しめる仕上がりでした。
さて、今回のご紹介はここまで!
今後もコンテストの作品紹介を順次行なって参ります。是非次回をお楽しみに!